
全国若手議員の会~九州ブロック~研修会
全国若手議員の会~九州ブロック~研修会
2025年8月8日(金)、福岡大学にて開催された全国若手議員の会 九州ブロック研修会の第2部において、FUSC(FUスポーツコミュニティ)代表理事・乾真寛(福岡大学スポーツ科学部)と理事・山下慎一(福岡大学法学部)がそれぞれ講演を行いました。
今回の研修会には九州を中心に全国から若手市議会議員(45歳以下)約20名が参加し、福岡大学の先進的な地域連携の取組と、社会保障における情報発信の課題について、活発な意見交換が行われました。
⸻
スポーツ資源を活かした地域創生(乾代表理事)
乾代表理事からは、福岡大学が推進するスポーツ資源活用の取り組みについて紹介がありました。福岡大学は現在、次の5本柱を中心に地域創生に取り組んでいます。
• 教育(体育授業支援・教員養成)
• 競技(大学・地域クラブ・プロスポーツ連携)
• 医療(フレイル予防・健康増進)
• インクルーシブ(パラスポーツ・障がい者支援)
• デジタル(eスポーツ・データ活用)
これらの柱を横断しながら、高齢者の社会参加促進や世代間交流、健康寿命の延伸に資する地域活動を多層的に展開しており、自治体・企業・大学が連携することで持続可能な地域モデルを発信しました。
⸻
情報格差と福祉制度の使われにくさ(山下理事)
山下理事の講演テーマは「社会保障・福祉情報の効果的発信 ― ホームページと書籍を活用して」。
山下教授は、福祉制度は「申請主義」であるため、制度の存在を知らない住民は利用できず、その結果として給付漏れや不満、定住意欲の低下、訴訟リスクの増加など多くの問題が生じていると指摘しました。
調査データでは、87%の市民が「情報が分かりにくい」と感じていることが明らかになっており、自治体HPのような制度を羅列する形式では、住民の悩みに寄り添えていない現状があると述べました。
そのうえで、住民の立場に立った「ストーリー設計」や「検索性の高い構造」の重要性、そして書籍やウェブメディアのハイブリッド活用による情報格差の是正について、具体的な提案がなされました。
地域課題を超えて「共創」へ
この日の講演後には、予定時間を超えるほどの活発な質疑応答が展開され、参加した若手議員からは自身の地域での課題や現場の声が多数共有されました。
特に、教育現場出身の議員やスポーツ指導経験を持つ議員からは、行政施策と現場活動の橋渡しに関する前向きな議論が交わされ、FUSCの活動に対する共感と期待の声が多く寄せられました。
FUスポーツコミュニティは、福岡大学を起点とし、スポーツ・教育・医療・情報の力で「誰一人取り残さない」地域づくりを全国に広げてまいります。
今後も若手議員との継続的な対話と連携を通じて、現場に根差した政策と実践の融合を目指していきます。

